下っ腹の押し出し方には、2種類あるとわたしは考えています。
①自然に下っ腹がふくらむ方法
②腹筋で押し出す方法
どちらも確認してみましょう。
《①》自然に下っ腹がふくらむ方法
息を吸うと、胸が膨らみます。
これは胸を膨らますことで肺に空気を入れる動きで、ざっくりと言えば肋骨と横隔膜の動きです。
肋骨の下の方と横隔膜が動くとき、
お腹のなかの内臓が動いて、それによってお腹が膨らみます。
この膨らみ方は、お腹や下っ腹に手を置いておいて、
なるべくリラックスした体勢で、ゆ〜っくりラク〜になが〜く鼻から息を吸ってみるとお腹や下っ腹がふくらむのが分かると思います。
これは「下っ腹を押し出す」ではなく、「下っ腹が押し出る」ですね。
《②》腹筋で下っ腹を膨らます方法
一方、腹筋でお腹を膨らますこともできます。
これは、①に比べると自然ではないかもしれませんが、管楽器の呼吸のコントロールの方法のなかで人や場合によっては大変重要になっていることもあると思います。
この腹筋でお腹を膨らます感覚のヒントを得る方法をふたつ例示します。
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ヒントA
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◎立ってでも座ってでもいいので、足の裏をしっかり地面に付け、足に踏み込んで体重をかけておくような感じで脚で体をしっかり支えておきます。
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◎この状態で、ゆっくりゆっくり背中を沿って天井を見ます。
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◎すると、腹筋に力が入りませんか?歌や管楽器の呼吸法のなかの《腹筋でお腹を膨らます》コントロールの感覚に、この感覚がかなりヒントになると思います。
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◎また、手をお腹や下っ腹に置いておくと、お腹がちょっと膨らんだり張ったりするのがわかると思います。
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ヒントB
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◎椅子に座って、背中は背もたれから離し、ヒントAの最初のように脚で体を支えておきます。
↓
◎鼻からゆっくりたっぷり息を吸い込みます。たぶん、お腹が膨らみますね?これは、自然に受動的にリラックして膨らむ感覚です。
↓
◎次は、息を吸う前に片方の拳をおへその上かみぞおちくらいに当て、反対の手は拳の手首をつかみます。
↓
◎そのまま両手でお腹を内側にグ〜っと押します。
↓
◎押したまま、鼻から息を吸ってください。そして、吸いながら手を押し返していきます。このとき、さっきとはちがったお腹の力感が感じられたら、これが腹筋でお腹を膨らます感覚です。
↓
◎さいごに、またお腹を両手で押しますが、こんどは息は吸わずに、でも一つ前の段階で感じた感覚で、お腹で手を押し返します。背中をこのとき曲げたり頭や首を落としたりしないようにしてあれば、弊害のない形で腹筋でお腹を膨らます感覚を単体でつかめると思います。
以上、いかがでしょうか?
ためしてみてください。
Basil Kritzer