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楽器を鳴らすことで、
楽器が鳴ることで。
それにより生まれる響きや音色。
これを『自分の身体の中』で作ろうとしていたことで、ちょっとした力みや動作の遅れのような現象につながっていたと思われる事例に接しました。
喉や口の中あたりに何か過剰な仕事が生まれるような印象、溜める感じが過剰になるような、そんな感じです。
もう少し『楽器そのものが鳴ればいいや』あるいは『物理的・空間的に楽器のあたりを意識する』と考えてみたらどうなるか?と実験すると・・!
楽器の鳴りが増え、しかもよりスッキリと軽い鳴り方。
動作も軽く、ラクになりました。
思い返せば、高校生のとき自分もこのように『自分の内側』に音を作りすぎ、感じようとし過ぎていました。
自分の場合は、
・楽器がうまく鳴ったときの音を知らない
・音の出し方を身体感覚的に覚えてそれを再生産することが演奏能力だ、という定義以外に考え方を見つけられずにいた
・音を自分のアイデンティティに重ねすぎていた
といったことが引き起こしていましたが、
『自分の内側で音を作りすぎ現象』=『楽器そのものを鳴らさない現象』は人によって様々な理由や経緯で起きていることと思います。
Basil Kritzer