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【Q2:正しい呼吸法は?】
まず大事なのは、
呼吸のことを言われてもピンとこないとか演奏の楽しみが減るように感じるとかするひとは、
呼吸よりみんなと一緒に合奏することとか、じぶんが好きな楽器の音のこととか、興味のあることや楽しさを感じることを素直に楽しんじゃうようにしましょう。
なぜなら呼吸は楽器演奏のテクニックに過ぎないからです。
楽器演奏がもっと楽しくなるため、
楽器演奏がもっと思い通りにできるようになるためのものですから、
呼吸のことを考えても意味がわからなかったり、
楽器演奏が不自由で面白くなるようだったら、
呼吸法を意識する意味はありません。
【呼吸法の極意】
さて、呼吸法のとても簡単な極意は、《ふつうより、わざとたくさん息を吸って、わざとたくさん吐く》ことにあります。
息で、唇やリードを振動させて楽器の音を作り出すので、
ふだんの日常でやるような呼吸のままではちょっと足りなくてうまくいかないのです。
複雑なことは必要ありませんが、
息を吸って、息を吐くことを、ふだんより「多めに・わざと」やるのです。
【わざと吸ってわざと吐く】
くらべてみましょう。
①吹きやすい音を1音えらんで、ふつうの呼吸で、ちょっと伸ばしてみましょう。
②では、同じ音を、こんどは「息をわざと・ちょっと多めに吸って」、ふつうに伸ばしてみましょう。
③同じ音を、ふつうに吸って、つぎは「息をわざと・ちょっと多めに吐いて」、伸ばしてみましょう。
④さいごに、「息をわざと・ちょっと多めに吸って」そのあと「息をわざと・ちょっと多めに吐いて」、伸ばしてみましょう。
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①〜④ それぞれの音や吹きごこちをくらべてみましょう。
もし、気に入ったやり方があれば、さっそく取り入れてみましょう!
【呼吸エクササイズ】
もし、《ふつうより、わざとたくさん息を吸って、わざとたくさん吐く》のが気に入ったら、
もう一歩練習を進めましょう!
《吸う練習》
①鼻からゆっくり息を吸います。
②口からラクに吐きます。
③鼻からたっぷり、3秒間息を吸い続け、口からラクに吐きます。
④鼻からたっぷり、5秒間息を吸い続け、口からラクに吐きます。
⑤鼻からたっぷり、7秒間息を吸い続け、口からラクに吐きます。
《吐く練習》
①鼻からゆっくり息を吸います。
②口からラクに吐きます。
③鼻から息を吸って、お腹を力いっぱい凹ませながら、3秒間息を吐き続けます。
④鼻から息を吸って、お腹を力いっぱい凹ませながら、5秒間息を吐き続けます。
⑤鼻から息を吸って、お腹を力いっぱい凹ませながら、7秒間息を吐き続けます。
《音を出そう》
上の2つのエクササイズをやったらすかさず、音を伸ばしてみましょう!
どんな音や吹きごこちになるでしょうか。
【応用編】
ここまでの成果が気に入ったら、音が響きやすくなり、長く伸ばしやすくなる応用編をやってみましょう。
①上の《吸う練習》で「からだが膨らむ」感覚があると思います。これを力いっぱいキープします。
②この感覚をキープしたまま、《吐く練習》のときのようにお腹の力を力いっぱい使って息を吐きます。
③この感じで、音を伸ばしてみましょう!
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さて、どんな音や吹きごこちになるでしょうか?
試してみて下さい。
Basil Kritzer