実習10レッスンのプラン

晩秋開始予定の10回実習レッスンのプランを今日作成しました。
アレクサンダー教師資格取得のための認定試験を受けるにあたっての提出物なのですが、
それなりに読んでみても面白い面はあるので、そのまま公開してみることにしました。
内部資料のため、一見意味がよくわからないところが多いでしょうが、ご了承下さい。

レッスン1

達成目標

生徒さんがこのレッスンの後、「頭と脊椎の関係」を自身の観察・意識・気づきの対象として自発的に含めてくれるようになること。

方法

1:
楽器の演奏(または他の活動)をやってみてもらう。
2:
そのとき、何をどのように意識しているか、可能な範囲で言ってもらう。
3:
頭と脊椎の関係性が演奏の質全体にいかに重要か、説明、ハンズオンのサポートなどを通して理解してもらう。
4:
生徒さん自身に、頭・脊椎の関係を意識に含めて演奏をしてもらう。
5:
その際、ハンズ・オン、言語などを用いてサポートする
6:
最後に自分自身でやってみてもらう。
7:
自分で使ってみれそうかどうか、話し合う。

レッスン2

達成目標

「頭と脊椎の関係」の理解と意識的活用を、さらに深め、促す。

方法
1:
前回から今回までの間、どうだったか話し合う。
2:
自分なりにやってみてもらう。
3:
必要であれば、その時点でハンズオンなどのサポートを行う。
4:
改めてやってみて、どうだったか、話し合う。
5:
前回より繊細な動きのレベルまで、レッスンを進める。

備考

その過程で、ボディマッピング的要素や、抑制すること、感覚に頼れないこと、注意の統一場などにレッスンが展開する可能性もある。

レッスン3?レッスン5

達成目標

「頭と脊椎の関係」 から「全身動きの相互関連性」に理解を進める。
この3回のレッスンで、頭/脊椎の関係という全体的コンテクストの中で腕、脚、呼吸、アンブシュア、舌、顎などがどのように機能しているかの理解を作り上げる。

方法

1:
頭?脊椎?腕?脚の関係を楽器の持ち方において探求する。
2:
頭?脊椎?腕?脚?呼吸の関係を音を出すプロセスで探求する。
3:
頭?全身?アンブシュア―タンギングの関係を、演奏のプロセスで探求する。
4:
この過程で、ボディマッポング的側面を活用する。
5:
解剖学的/言語的情報は、図や絵などの視覚情報、そして何よりハンズオンによる筋感覚的情報のサポートを基盤として伝える。
6:
実際に音が変われば、それが聴覚的な強いインプットとなってプロセスへの信頼が生まれるケースが考えられるので、音の変化を意図的に問いかける。

備考

このような、実際の身体の機能や演奏の解剖学的側面を理解することによって、言及なしに望ましくない癖の抑制が実現する可能性がある。また、相応しいと判断すれば、その抑制が実現されたことをフィードバックし、起きて欲しいこと/実際の構造や働きを意識化することが抑制につながったという事実を伝える事で、方向付けの意味を理解してもらえる可能性が考えられる。

レッスン6

達成目標

「頭と全身の関係」をさらに理解し、自発的に意識することを勇気づける

方法

1:
全身のことが前回まで出て来たので、改めて「頭と脊椎の関係」を復習する。
2:
この際、楽器演奏はもちろんのこと、楽器の組み立て、あるいは運搬などより日常的な活動においてもアレクサンダーの原理が使える事を紹介する。(ただし、生徒が興味を示さない場合は、楽器演奏への応用にとどめる)

レッスン7?9

達成目標

本番や難しいフレーズの演奏など刺激の大きい場面でのアレクサンダーの原理の活用をする体験・理解を実現するとくに注意の統一場がこの際重要になる

方法

1:
本番を想定して、普段はどのような問題や不安、または望む改善点があるかなどを話し合う。
2:
本番のロールプレイを行う。
3:
生徒の様子に応じて、いちど一人で本番のシミュレーションまたは難しいフレーズの演奏をやってみてもらうか、その準備段階からハンズオンや言葉でのサポートを行うか判断する。
4:
ステージにおいては、注意の統一場が鍵である事を伝える。すなわち、観客を自分のスペースに招き入れること、会場の空間を意図的に認識すること etc…
5:
防御反応の3段階(Social Engagement Theory)の話も役立つだろう。

備考

この段階では、全体性にフォーカスを移しつつも、そのなかで頭/脊椎がプライマリーに働いていることを理解してもらうのが理想的。

レッスン10

達成目標

アレクサンダーテクニークに本心からの興味と信頼を持ってもらう。
自発的に楽しんでアレクサンダーの原理を実験的に自分で使おうという気持ちになって もらう。

方法

最後のレッスンは内容を完全に白紙とする。
私と生徒さんの無意識がレッスンを思わぬ方向に導く、かつ大切なメッセージの浮上をさせてくれるためのスペースを与える。

☆個人的に、気をつけようと思う事

1:
言語的/知的内容や情報に偏らないこと
=非言語的ジェスチャーや身体的動きの情報をしっかり信頼する。
2:
生徒さんの望みを明確化し、生徒さん自身がプロセスの要であることを自分の中で明確にして臨む。
3:
私のリード、生徒さんのリード、そのダイナミックな関係が生まれる様、アウェアネスを向ける。
4:
自分自身を「問題解決屋さん」にいつの間にか位置づけないように気をつける
=生徒さんが、探求のプロセス自体に興味を感じるようにしていく。
5:
自分の使い方/協調作用が全ての根本である事を思い出す。
=安心して自分の協調作用に頻繁に働きかける。
6:
レッスンの隠れた、そして本当の主題は、自分自身の協調作用である。

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