お手本

今週末、大阪に出張中。
京都の田舎の実家にて、余裕ある時間を久々に過ごしています。

Youtubeで色々眺めていたら、
マーラー交響曲第7番を演奏するA.アレグリーニを発見。

観察していると、アレクサンダー・テクニーク的に非常にお手本になる映像でした。
というのも、とにかく「頭が下に押さない」のです。

思いっきり強奏していますが、首や背中が、全然縮まらないんですね。
もちろん、大きくて強い息の流れが滔々と身体の中を流れ動くわけですから、それに
応じた身体の中心のしっかりしてエラスティックな支えがあるのも分かります。

筋肉の張りが高められていますね。
つまり非常に「力」は使っているのです。

でも、ちっとも身体を固めたり縮めたりしないのがよーく分かります。
様々な適応やアジャストが、頭の軽く細やかな動きと、アンブシュアどころか
顔面全体の筋肉をネットワークのように使っています。

非常に興味深い。面白い。
他にこれほど顔面全体を使っているプレイヤーはあまり見たことありません。
彼にとっては、顎の下から耳の裏や頭の後ろ、てっぺんまで、全てが「アンブシュア」なのです。

そして、見ていると姿勢が良いでしょう?
なんかすっとまっすぐ伸びている。

しかし、これは「姿勢を正している」のではありません。

だから、真似して背中をまっすぐにしても、全く別ものになります。

彼のこの伸びは、頭を下に押し下げて身体を固く縮めこませていないからなのです。

だから、
1:姿勢を伸ばそうとしたり、背中をまっすぐ立てようとしてはいけません。
2:頭を引っ張り下げて身体を縮めないでいることが大事。
3:つまりこれは頭が軽やかに細かに動き続けて、背中や背骨の支えが活き活きとしてきている

そう、よい姿勢や奏法は、「何をするか」ではなく「何をしなくていいか」という観点から見つかるとも言えるのでしょうね。

それにしても、かっこいいな、アレグリーニさん。

ブログでは読めない話もたくさん!ぜひメルマガをGET♪

レッスンの申込や出張依頼などについては、こちら!

お手本」への4件のフィードバック

  1. 最近練習していたときに同様のことを思いました。強奏のときにどうセルフをユースするかを再び考えています。

バジル へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です