高校3年生の頃。
その年の4月頃から、背中が痛くなってきた。
ホルンの吹奏に何らかの形で密接に関係していた。
根は心身症的なもので、高校最後の1年、翌年には音大受験(ドイツ)だから本気で本格的に音楽の訓練をせねばと気負ったはよいものの、普通の学校生活と部活であまり余力は無く、やるべきと思っていたことができないでいることに焦り不安になっていた。
そこを「とにかく努力」と根性論でなんとかしようとしていた。
その結果、あるいは現れとしての背中の痛みだったと思う。
痛くて息が吸えない、
高い音を吹くと痛い・・・。
どんどん練習が困難になっていった。
6月の梅雨のある日、呆然としながら家の近くを歩いていると、ふと
「夏のコンクールが終わるまでは、コンクールの曲で使う高さの音以外の練習はもう無しにしよう。コンクールが終わったら一週間休もう。そのあと一週間練習してダメだったら、受験を諦めよう」
と考えがまとまった。
その刹那、ホルンや音楽に限定されない「自分」を感じた。
吹奏楽部で音楽に入れあげて熱中し始める前にも自分は存在し、音楽以外にもいくつも興味や好きなことがあり、生きていた。
それを思い出し、感じた。
時折思い出すエピソードだ。