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ある日、緊張で合奏や本番でうまく吹けないと大変にお悩みのアマチュア女性ユーフォ吹きがレッスンにいらした。
提案の大枠は
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①緊張していても「考えて意図してやる」奏法的=物理的なアクションを持っておくこと
②合奏や本番の理想的な迎え方は、「ミスしてもボロボロでも、まあいいや」という心の立ち位置にいること。なので、少しでもそちら方向に向かうこと。
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まず前者は、緊張してなくても物理的な操作=技術に問題があれば音は外れたり出なかったりするわけで、
逆に、物理的な操作ができればメチャクチャ緊張していても完璧に演奏できる。現にそういう素晴らしいプレイヤーはいっぱいいる。
この方の場合は、「唇から外に流れ出る息が上方向に流れるようにする=下唇をたくさん振動させる」ことで劇的に水準が上がった。
緊張で失神しそうでも、ひたすら息を上方向に流れるようにしてれば、それだけでもいままでより遥かにうまく吹けるのだ。
しかし、金管楽器はカンタンに音が外れたり出なかったりする。金管じゃなくても人間は完璧じゃない。いくらでもミスや不完全は生じる。
それもあって、マジで、「ミスしてもいいや」 「思い通りにできなくてま、まあいいや」という気持ちで本番をできることは非常に解放される。緊張から自由になれる可能性も上がるし、緊張していても大丈夫になってくる。
これはある意味理想なので、実際にはそう思えないことも多いだろう。
しかし、「ミスしてもいい、大丈夫」という心の立ち位置が《向かいたい方向》と分かっておくのがとても有益だ。
その方向からずれているのに気付いたら、何に執着してるか掘ればいい。そして少しずつ手放せばよい。
これも、練習だ。
BasilKritzer