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低音が思い通りにいかないという金管楽器の生徒さん。
高音はキレイなのに中音域から音質が特徴的に硬くなり上ずる。その傾向が続きなにもうまくいかなくなるのが低音。
つまり、低音の問題ではない。
中音域を少しクレッシェンドしてみてもらったらすぐ音質や響きがハマって良くなる瞬間が。
これを利用してもう少し下の音もクレッシェンドしてみてもらったら・・・あれ?
音が大きくならない。
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なるほど、これでわかった。
息を吐くという物理的な動作が機能していないのだ。
低音は、必要とする吐く息の量が増える。なのに、息を吐く動作が起きてない。だから、低音もクレッシェンドもできずにいたのだ。
そこまでわかれば、あとは息を吐くだけ。
息を吐く動きは、お腹も胸も凹ます・しぼませる動き。
それをわざとやるようにしたら、すぐさま低音が鳴り始めた。
さらに、喉の苦しさも減り、
硬い音質も豊かになった。
喉はお腹がやるべき息の吐き出しから作る息の圧力の代わりをしていたわけだ。
音質の変化は息の吐き出しができて唇の振動が増えたから。
このように3つ、4つの問題や不都合が共通して『息の吐き出しをしていない』ことに根っこがあった。
息を吸う力は
身体を膨らます力。
息を吐く力は
身体をしぼませる力。
Basil Kritzer