東京音大での講座/本番の緊張と恐怖を乗り越える

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【東京音大での講座/本番の緊張と恐怖を乗り越える】

〜このテーマの研究者の例〜

①ドン・グリーン博士

・アメリカ軍の対ゲリラ戦専門部隊「グリーン・ベレー」出身。プレッシャー・緊張・ストレスが及ぼす影響というものを実体験し、関心を持つ。

・博士論文において、スポーツ心理学における「センタリング」の技術がSWAT隊員(アメリカ警察特殊部隊)が生死の危機に晒されるような極度のプレッシャー状況における射撃技術の向上に非常に効果的であることを示す。

・研究と調査から、「Perfomance Skill Inventory」という、パフォーマーの助けになる体系を構築。これを学び活かした生徒たちから、アメリカのメジャーオーケストラに合格する奏者たちが多数誕生

・ジュリアード音楽院とニューワールド交響楽団で学生や奏者を教える。

・最新のトレーニング映像教材に「THE CENTERING TRAINING SERIES」

・邦訳版に「本番に強くなる〜演奏者の必勝メンタルトレーニング〜」辻秀一 監訳/ヤマハミュージックメディア

②ノア・カゲヤマ博士(ジュリアード音楽院教授)

・ジュリアード出身のバイオリニスト

・その後、スポーツ心理学の博士号を取得

・効率的な練習時間の設定、効果的な練習方法の設計などを研究

・管楽器専門誌「パイパーズ」で連載中!

・サイト「THE BULLETPROOF MUSICIAN」bulletproofmusician.com

・調査研究に基づく練習のコツのニュースレター配信、各個人のメンタルの長所と弱点を診断するテストなど

・”Pressure Proof” 「ステージで、腰が引けてしまう理由」などを考え、練習を活かし切るための練習法などについての、5日間コース(メール配信形式)

③古屋晋一博士(上智大学特任准教授)

・サイト www.neuropiano.net

・最新の公開論文:「アガリによテンポが走る現象は、心拍数の上昇と関連が無い」

・ディストニアの研究

・ピアノ演奏の研究

ピアニストの脳を科学する」超絶技巧のメカニズム(春秋社)

〜有効とされている方法〜

・イメージトレーニング
→ドン・グリーンのメソッドにたくさん入っている

・メンタルトレーニング
→これもドン・グリーンのメソッドにたくさん入っている
→日本:
◎黒瀬大輔さんwww.klose-music.com 桐朋卒オーボエ奏者、東海大で研究をされた
◎大木美穂さん ドイツ在住/ハレ大学勤務 ピアニスト 時々日本でも講座を開講

・呼吸法

・自律神経訓練法

・瞑想

・ヨガ

・カウンセリング

・βブロッカーなど震えを抑えるお薬(あるデータではアメリカのオーケストラ奏者の27%に服用経験あり)

etc…

〜本番で良いパフォーマンスをするために今回共有したい考え方〜

練習と本番で、「やることを同じにする」〜ストーリーテーリング〜
(ワシントン州立大学首席教員のキャシー・マデン(演劇・アレクサンダーテクニーク)氏の教えに基づいて)

・本番は、「表現・ストーリーテーリング・コミュニケーション」であると定義する

・練習も、ウォーミングアップ・基礎練習・テクニカルな練習・曲のさらい込み、いずれの段階についても「ストーリーテーリング」を組み込む

・そうやって「やろうとすること」をそうして意識化し分かっておくこと・計画化しておくことで、緊張感や恐怖感のなかでも、練習してきたことを意識し実行しやすくしようという試み

この考え方・実践方法は本にまとめてあります
こちら

✳︎ストーリーテーリングを中心にすることについては、カナディアンブラスのホルン奏者、ジェフェリー・ネルソン のメソッド「Fearless Performance」でも同様に着目されている。
(バジルのブログ basilkritzer.jp で少し要約している。バジルのブログを「無恐怖パフォーマンス」をごらんください)

サブカテゴリーA: 聴衆とつながる
・聴衆に関して情報収集
・聴衆と能動的に関わる

サブカテゴリーB:体の使い方・演奏技術
・演奏をするとき、身体がよりいうことを聞いてくれるようにするという面でのアレクサンダーテクニーク
・奏でたい音やフレーズを奏でるうえで、それを実行する手段としての演奏技術の意識化

サブカテゴリーc:アドレナリンサーフィング(キャシー・マデン氏の教えに基づいて)
〜緊張感、恐怖感を乗り越えていく〜
①思っていることを外部化
②五感で情報収集
③好きなことを口に出す

✳︎アドレナリンサーフィングの考えと調和する研究の例✳︎

SCIENTIFIC AMERICAN より

・心臓のドキドキ、呼吸の荒さ、思考のグルグルを、「不安」と解釈するか「興奮」と解釈するかでどう変わるか
Journal of Experimental Psychology 2014年6月発表ハーバード大の実験
→人前で歌う、人前で話す、数学の問題を解く。いずれにおいてもこれらの兆候を不安ではなく「ワクワク・興奮」であると解釈したひとの方がパフォーマンスがよかった

・社会不安を抱える人が、人前に立つときに感じるストレスをパフォーマンスを高めるものだと考えるようにすると、実際にパフォーマンスが良くなった
Emotion 2014年8月

・「本番で、『どんな良いことが起きるだろう』と考えてそれにワクワクした方が、自信が湧き、エネルギーが高まり、良い結果になる可能性が高まる」アリソン・ウッド(ハーバード・ビジネススクール助教授)

・ストレス反応について:TED talk 「ケリー・マクゴニガル〜ストレスと友達になる方法」ケリー・マクゴニガルはアメリカの心理学者。ストレスを悪くとらえるのと良くとらえるのとで血管の反応がちがうということを話している

昨日講座にご参加頂いた皆様、今回の講座の機会を作って頂いた東京音大に心から感謝申し上げます。

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