音色が良くない自分はもう限界なのでは…と悩む高校生ユーフォニアム吹き

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日々吹奏楽部で頑張っている高校生ユーフォニアム吹きからのメール相談です。そのやり取りを紹介します。





【質問者】

僕は世の中では強豪と呼ばれている高校でユーフォニアムを7年間吹いている一年生です。


最近、さまざまな所で「限界なのではないか。これ以上成長するのか。」と感じることがあります。


その一つとして、音に重みがないという所です。

僕は先輩にいつも「音が軽いんだよねー、輪郭はしっかりしてるのにねー、お腹使って吹いてないんじゃない?」と言われます。


でも、僕にはお腹を使って吹くという意味が分からず、日々、軽い音と格闘しています。

どのように改善したらよいでしょうか?
アドバイス頂けたら嬉しいです。



【バジル】

楽器歴7年で、高校生で限界なんて100%ないですよ(^^)


プロの金管楽器奏者からすると、指摘・批評・指導の文脈で「音が軽い」とか「音に重みがない」っていう言い方は、意味がはっきりしないのであまり使わないですね。

先輩さんがどこまでを分かっていて言っているのか、疑問を感じるところがあります。


あなた自身は、あなたの音をどう感じていて、どうしていきたいんですか?



【質問者】

僕は、深い響きがあってかつ、芯がしっかりしている音を目指しています。

でも、今の自分の音はどこかかすれていて、安定していないような感じがします。


以前のバジル先生のアンブシュアについてのブログ記事を見てからはっきりとする音は出るようになったのですが、安定性がどこか欠けています。

なので、まずは深い響きで安定した音を意識しています。



【バジル】

アンブシュアモーションはどうなっていますか?
何のことか分からなければ、下記の記事を参照してご自身のアンブシュアモーションを調べてください。

金管楽器を演奏するひとのための、アンブシュアに関するヒント
演奏家たちのアンブシュアタイプ分析 〜ユーフォニアム編その1〜


「深い響き」についてですが、ひとつ気がかりなのは、自分の個性・声色としての音色ではないものを求めてしまっていないか
ということです。

音色は、明るく・軽い響きのひと/強く張りのあるひと/柔らかく・暗い豊かなひと など様々な個性があります。

この個性は、変えるべきものでなく活かして伸ばすべきものです。

奏法がより良くなり、演奏技術がより向上し、音をより響かせることができればできるほど、
これらの個性はもっと明確になります。


仮に、「深い響き」というのが、実際には特定の音色を求めているとして、その音色があなたの個性と異なるものだとすれば、
それはあまり報われないというか、健全なことではないと思うので、ちょっと心配なところです。


上記に紹介した記事の、例えばアントニー・カイエさんの音と、デリック・ケーンさんの音とでは
すごく特徴や個性が異なると思うのですが、それは分かりますか?

アントニー・カイエ


デリック・ケーン


そのあたりは、どうお感じでしょうか。



【質問者】

僕はAaタイプの超高位置タイプで、先輩は思い出してみると中高位置タイプだった気がします。
それで無理に先輩の音に合わせようとしていたことがある気がします。

それが自分の音色を妨げていたような感じがします。



【バジル】

先輩が、「中高位置タイプ」だとしたら、このタイプは一番音が太くて・暗くて・豊かな音色になる傾向があると、アンブシュアタイプの研究者たちは述べています。

超高位置タイプは、明るい・軽い・きらびやかな音色である場合が多いとされています。

参照:
金管楽器の3つの基本アンブシュアタイプ



【質問者】

僕はよく、先生に「音色を合わせろ!」と言われます。

でも僕は今後自分の超高位置タイプとしてのミードさんのような音色を作っていきたいと感じました。

ですが、やはりパートとして音色を揃えなければならないことが少なからず出てくると思います。
そういう時はどのようにしたらいいでしょうか。



【バジル】

プロのオーケストラだと、同じセクションのプレーヤー同士で音色の個性がバラバラということはよくありますよ。

でももちろん演奏はバラバラになりません。

これは音色を揃えているからではなく、

・音量
・タンギングの強さやニュアンス
・アーティキュレーション

などをよく聴きながら、あるいは話し合って統一したりバランスよく調整したりするからです。

また、個性としての音色をゆがめたり抑えたりしないためにも、
セクションで楽器を統一するなどして、道具などより外部的な手段で音色を合わせることを大事にするケースもあります。


もし、それぞれの個性を殺して音色まで揃えると、まず個性を歪められたひとの演奏能力が下がっていろいろ合わせにくくなります。

運よく揃えることができても、統一感はあっても響きや輝き、音の伸びのない、あまり音楽的でない感じになりがちだと私は感じます。



【質問者】

なるほど、本当に僕の長い相談に乗っていただきありがとうございました!

先生のおかげで今まで抱えていたモヤモヤがたくさん解消できました!

これからも多くの人を幸せにできる音楽を目指して精進していきたいとおもいます。
本当に、本当にありがとうございました!



【バジル】

役に立てたようで、なによりです。





One thought on “音色が良くない自分はもう限界なのでは…と悩む高校生ユーフォニアム吹き

  1. プロオケのように資産力で道具を揃えたりすることができない環境では、音色を揃えろという指導者の言葉は半ば呪いの様に聞こえてきますねえ
    音楽性を犠牲にして無理をして合わせた演奏を指導者が求めている場合も知っています
    何とかなればいいんですがねえ…

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