朝日新聞・吹奏楽コンクール全国大会〜いつもどおりの演奏をするために〜

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過日、朝日新聞より、来月にせまった吹奏楽コンクール全国大会に向けて、「本番の緊張について、そしていつも通りに演奏するための方法について」取材を頂きました。来月半ばの朝日新聞東海版に掲載されるかもしれません。





取材時にお話した内容の概要を、ここに残しておきます。
記事をどうぞお楽しみに!



✳︎吹奏楽コンクール全国大会〜いつもどおりの演奏をするために〜✳︎

【本番で、「やってよかった」と思える演奏をするために】

①本番とは何か?

本番とは何か?
→音楽を演奏するということ。

音楽は
・演奏者
・演奏空間
・聴衆
・作品(聴衆と共有するストーリー、メッセージ、意味)
から成り立つ。

本番とはそれらが全て「揃う」という点が練習と本質的に異なる唯一の点であって、ふだんの練習からこれらを踏まえた考え方・練習の仕方をしていれば、本番でたとえ緊張したり調子が悪くても、ふだんから練習していた「やること」が明確なので、失敗したり練習ほどうまくいかなくても後悔にならないような心のこもった演奏ができる。それが大事!


②本番と練習を一致させる(矛盾した練習のやり方を変える)

本番でやることとは?

『演奏者が
聴衆に「よかったらぜひこのストーリーを味わいませんか?」とお誘いして
楽器や声を使って音を台詞あるいは絵の具として
ストーリーを語る・描く・作りだす

ということである。

…ということは、ふだんの練習からそれをやっていれば、舞台上でやることは「いつもと同じ」になる。

✳︎ウォームアップ、ロングトーン、音階そして曲。あらゆる練習にストーリーを結びつけよう✳︎

ステップ1:ストーリーを用意し

ステップ2:そのストーリーにふさわしい音、音型、フレーズを用意する

ステップ3:そのストーリーを共有する聴衆と演奏空間を、本番なら見る。練習なら用意する(人形でも、お家の猫ちゃんでも、想像上の聴衆でもOK)

ステップ4:その音、音型、フレーズを演奏するのに必要だと自分が思う技術・奏法・やることを意識化して

ステップ5:実際に奏でる

(1〜4は取り組みたい特定の音型、フレーズなどがある場合は2を最初に、取り組みたい特定の技術・奏法領域があるなら3を最初にしてもOK)


このような練習の仕方をやっていくと、本番と練習、技術と表現などの矛盾がなくなってくる。すべてがクリエイティブになり、楽しくなる。練習効果も本番で力を発揮できる度合いもとても上がる。


③緊張

・ドキドキ
・ソワソワ
・汗

など本番前や本番中に感じる感覚の多くは、多くの場合異常でもなんでもない。アスリートなら「テンションが上がる」と呼ぶような、『高まり』であり望ましいものである。

したがって、これを抑えよう無くそうとしても、なかなかそうはできないし、できても演奏のプラスにはならないことが多いのではないか(落ち着いて冷静になれたとしても、音楽に入り込んでいない・熱意が湧いてこない、など)

病理学あるいは心理学的に異常・過剰というものをのぞいて、「本番の緊張」は起きるべきものであり起きてほしいものである。


〜緊張感をパワーに変えていく方法〜

✳︎アドレナリンサーフィング✳︎

アドレナリンサーフィングは

・自分の思っていること/感じている事をひたすら口に出す。
・五感で情報収集をする。
・自分の「好きなもの・こと」を口に出す

という3ステップから成り立ちます。


~1:感じていることを全て口に出す~
本番の日、朝起きたらきっと色んな気持ちや感覚が沸き上がるでしょう。身体が重く感じたり、不安を覚えたり、あるいは楽しみでどうしようもないくらいかもしれません。身体で感じ ることも、心で感じることも、全て声に出して言い続けます。こうすることで、自分の現在 地・現在状況とより接点を持てます。これは家でも楽屋でもリハーサル室でも、本番舞台袖や 本番中の休みの小節の間でもやってみるといいでしょう。

~2:空間を感じ、感覚を活性化する~
本番の演奏会場に着いたら、ホールの舞台や客席などを歩き回ってみてください。天井や舞台 の後ろなど、あらゆる方向や場所を眺めます。そうやって、まず視覚的に空間感覚的に、演奏 する空間全体を自分の内側に取り込んでいきます。次に、その会場のを音で感じて行きましょ う。ゲネプロ開始前だと、何人かの共演者がウォームアップしているかもしれません。話し声 が聴こえたりするでしょう。それらの様々な音が、演奏空間にどのように響いているか、感じ とっていきます。そういったことをしながら、演奏空間を触覚的にも感じましょう。まず、会 場の温度はどうなっていますか?場所によって温度や空気の感じが異なっているかもしれませ ん。また空気が流れているのが肌で感じられることもあります。床の堅さや材質を手や足で触 れたりコツコツ叩いて感じることもできます。そうやって自分の内側と外側への感覚的な気付 きに意識を向けて行きます。

~3:「~が好きだ」と声に出す~
1や2をやってだんだん落ち着いて来たら、こんどは本番に向けてエネルギーを高める番で す。そこで、「~が好き」と声に出します。「~」は何でも構いません。好きな食べ物、動 物、趣味、場所、季節など思いつくままに「~が好き」と声に出してみましょう。その好きな ものや好きなものと一緒にいるところを想像しながら。好きなことを考えることで、そもそも 演奏をやっている根源的なモチベーションを思い出しやすくなります。義務感や恐怖感という のは、確かに強いエネルギーで使い勝手がいいですが、嫌になって疲れるという良くない副作 用があり長続きしません。言うなれば石炭を燃やして燃料にしているようなものです。対し て、「好き」「やりたい」という意欲・望みはとてもクリーンで実は巨大なエネルギーなので す。言うなれば太陽エネルギーです。ただし、手っ取り早くはありません。このエクササイズ は太陽エネルギーを使えるようにしていくものだとも言って良いでしょう。

以上、1~3をそれぞれ2分程だけでもできますし、1時間づつかけることもできます。 何回でも好きなだけ繰り返すといいでしょう。

また、本番はまだ先でもすでに緊張や不安を感じているなら、毎日ちょっとづつでもこのエク ササイズを繰り返しておくと、さらに効果的です。







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