「バジルさん、独立しないの?」

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「バジルさん、独立しないの?」

…ときどきそう聞かれることがあります。

私は、アレクサンダー・テクニークのレッスンを提供し、またアレクサンダー・テクニークの教師を育てるコースを運営するスクール「BodyChance」に所属し、会社員という形で働いています。

そのことを知って、聞かれることがあるのが冒頭のことです。

この会社で働きはじめて間もなく7年が経ちます。

アレクサンダー・テクニーク関連でいえば、世界でも一番大きなスクール・会社ですが、世の中の経済の動きから見れば所詮、零細企業です。

ちょっとしたことで吹けば飛ぶような規模です。

そういう会社で働くというのは、いわゆる安定やわかりやすい昇給・昇進の道筋なんて存在しないことの方が多いのではないかと想像します。

一人一人の社員には、大きな責任が当然かかってくるでしょう。

したがって、そういった状況ゆえの苦しいことはもちろんたくさんありますし不安なことだってあります。

そういうストレスが高まり続いているときは、そりゃまあ誰でも「やめちゃおうかな…」と考えてしまうことはありますよね。わたしもその例には漏れません。

でも、本気でやめようと思ったことはないし、積極的に独立しようと思ったこともまだありません。

確かに最近は、単年や瞬間最大風速的には給料制で働くより独立した方が収入が多くなるかもという状況になってはきました。

しかし、やっぱり独立しようとは思いません。まだこの会社・組織の一員として働きたいという気持ちが明確です。

その一番大きな理由は、このスクールに蓄積された「智慧」にあるんだと思います。

日本に初めてアレクサンダー・テクニークが紹介されたのは、おそらくだいたい25年くらい前のことで、初めて日本人のアレクサンダー・テクニーク教師が誕生して日本でレッスン活動を開始したのもだいたいそれぐらいです(小野ひとみさんという方です)。

そういうアレクサンダーテクニーク「新興国」とも言える日本であるにも関わらず、わたしが学び、資格を取得していまは所属して働いている「BodyChance」には、社長のジェレミー・チャンスさんをはじめ30年以上アレクサンダー・テクニーク教師として活動し、この世界では国際的に高く評価されている海外からの先生たちが毎年何人か教えに来てくれています。

Jリーグの誕生当初に超大物海外選手が何人もプレーしていましたが、ちょっとそんな感じかもしれません(^^)

非常に優れた先生たち、しかもレッスン活動を30年以上続けてこれている先生たち。

そんな先生たちと毎年関われて、その教えを受けることができて、何よりも自分自身の「20年30年の未来」の模範とイメージを示してくれるということが、本当に地に足が着くといいますか、良い意味で「先の長さ」を意識に入れることができます。

こういう長期的な意識・イメージで仕事をやっていけるのが、BodyChanceに所属し続ける大きな理由だと思います。

長期的、といえば、独立したらもう本当にもっと「お金」にこだわっていかなきゃいけません。今日、今月、今年を「食っていく」ことを完全に自分でやりきらねばなりませんから。

そこが独立されている方々の凄さ・立派さですね。

反面、わたしにとっては会社・組織で働くことは、この会社・スクールが「続く」ために力を使うという意識でいられるので、自分にとっては独立するよりは長期的なことかつ他者のためを考えながら仕事ができるという面があります。

そこが好きで、いまは自分に合っていると感じています。

Basil Kritzer

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