失敗が上達の栄養になるとき

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演奏が上達するとき。それまでとは異なる運動が起きます。

今までとは異なる身体の動きが引き起こされ、その動きがいままでより効率的なものだったときに「上達」という成果が生まれるのです。

ここで重要視したいことは、上達とは変化そのものであるということです。

脳、神経や筋肉のレベルにおいても異なることが起こり、新たなパターンが作られ、使われ、そして身体がこれまでとは物理的に異なる動きをする。

さっきまでとはちがったことが起きているのです。変化しているのです。

まだ弾けないフレーズに取り組んでいるとします。

最高音がなかなかうまく出せず、取り組んでいます。

最後の音階を駆け上がって最高音に向かっていく。
しかしこの最高音をまだうまく当てられない。

一度目のチャレンジ。
音階を最後まで駆け上がりきれずに、下に音が外れてしまった。

二回目のチャレンジ。
こんどは勢い余って上にひっくり返ってしまった。

さて、二回目は失敗だったのでしょうか?

ふつうの感覚では、一回目も二回目も当てたい音が当てられなかったから「失敗」となります。どっちも単純に「ダメ」だったと分類されて終わりなわけです。

しかし、本当に「ダメだった」のでしょうか?

否、これはちっとも「ダメ」ではありません。

なぜなら、上達しようとする脳や身体にとって二回のチャレンとそこに付随した結果はどちらも貴重なデータであり、データのおかげで目指しているものに近付くことができたのです。

どういうことか。

一回目は「目指すはもうちょっと上」ということが分かった素晴らしい経験でした。

二回目は「目指すはもうちょっと下」ということが分かった有り難い経験でしした。しかも、もうちょっと上には行けた。ある種の成功・上達がすでに起きています。

なのに、これを「ダメだった」ということにしてしまうと、もう脳や身体はパニックです。どっちも大事なデータだったし、しかも二回目は改善が起きているのに、それは使えないと言われているも同然なのですから!

わたしたちがすぐ「失敗だ」「ダメだ」と評価したがるような結果も、注意してみると実は

「成功の素」
「上達の直線ルート」

であることがとてもたくさんあるのです。

Basil Kritze

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失敗が上達の栄養になるとき」への1件のフィードバック

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