憧れの音色・スタイルを追求していると、周りから悪く言われる…どうしたらいいの?

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仲間から否定的なフィードバックがあってどうしたらいいのかわからず悩んでいる高校生からメールを頂きました。

・フィードバックが矛盾する場合、誰のフィードバックを信頼すべきか?
・自分の感性や仲間の感じ方を信頼すること

といったことを話し合うことで、悩みが晴れていきました。
ぜひお読み下さい。
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【質問者】

ホルン4年目の高校1年です。

私は昔から硬めの音色です。

そして私自身、硬めの音色、硬めの音色のもつ独特の明るさ、輝きが好きで、ミクローシュ・ナジさんのような音色に憧れています。

ですが、高校に入ってから他パートの人達から「音が汚い」「音が割れてる」などと言われるようになりました。

確かに時々荒っぽい演奏になってしまうので丁寧にと心がけて吹いてみたのですが、やはり「ホルン割らないで」と言われてしまいました。

丁寧にと心がけた上で、しかも自分では割っているつもりは微塵もないのにそう言われてショックでした。

同じホルンの人達からは「音色が硬めなだけ」「後ろや近くから聞いたら他パートの人にとっては割れて聞こえるものだよ。」などと言われますが、周りから汚い音だと思われながら吹き続けるのはつらいです。

どうしたら硬めの音でも割れていないと思ってもらえるでしょうか?

それとも他パートの人から割れていると言われるような音はやはり本当に割れているのでしょうか?

私の音の硬さは息のスピードから来ていると思っています。その分高い音でもピッチは下がってきません。

高い音やリップスラーにも支障は感じておらずむしろ息のスピードのおかげでコントロールはしやすくなっているのではないかと思っています。

アバチュアは狭くありません。アンブシュアは下の方によっていて、おそらく上方流方向で吹いています。

(✳︎「上方流方向」についてはこちら『息の流れの方向と金管のアンブシュア』

【バジル】

>>同じホルンの人達からは「音色が硬めなだけ」「後ろや近くから聞いたら他パートの人にとっては割れて聞こえるものだよ。」などと言われます

これが全てなのではないでしょうか?

ホルンのひとがそう思うなら、他の楽器のひとが言うことよりホルンのひとのたちの言うことを信用した方がよくありませんか?

もっと大切なのは、あなた自身が

「硬めの音色、硬めの音色のもつ独特の明るさ、輝きが好きで、ミクローシュ・ナジさんのような音色に憧れて」

いらっしゃるわけですから、そういう方向に練習を重ねているのですよね。

他のパートの方々は、何もわかっていらっしゃらないようですから、そんなひとたちの言うことを真に受けてしまって自分自身を曲げてしまうと、調子が悪くなってしまうし、なによりアンハッピーになりますよ。

ほんといえば、わたしに対して「他パートの人から割れていると言われるような音はやはり本当に割れているのでしょうか?」と尋ねるのも危険です。

だって、ここでもし、あなたの音を聴いてすらいないわたしに「そうだ、あなたの音は硬すぎる!」なんて言われたら、落ち込むでしょう?他人に決めさせてはいけません。

>>その分高い音でもピッチはさがってきません。高い音やリップスラーにも支障は感じておらずむしろ息のスピードのおかげでコントロールはしやすくなっているのではないかと思っています。アバチュアは狭くありません。

素晴らしいことです。これは長所ですよ。
しかも、あなたの求めて憧れている方向と一致しています。

なおさら、大事にしなきゃ!

ミクロシュ・ナジ




【質問者】

ありがとうございます!

今まで感じていた不安がすっきりしました。

人からのアドバイスや意見を受け入れることも大事ですが、間に受けすぎず、そのことがどこまで正しいのか、判断することも大切だと感じました。

これからは自分の音をしっかりと、よく理解して聞いてくれる(今回であれば同じパートの)人達、そして何より自分の理想とする音を信じて、すてきな音色が出せるよう努力していきたいと思います。

本当にありがとうございました!

【バジル】

前向きになれてよかった!

Basil

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憧れの音色・スタイルを追求していると、周りから悪く言われる…どうしたらいいの?」への12件のフィードバック

  1. いつもお世話になっております
    この子の件、よくわかります
    ボクも割とハッキリ力強くを意識することが多いので、ブラスロック向きだとはよく言われたもんです
    今ではなんとなく技術も追い付いてきて“暴君”らしいですが(笑)

    さてさて、先生に伺いたいのですが、
    ボクはバテると著しく上が当たらなくなり、フォルテのフレーズは長くもたなくなります
    最近は先生や他の指導者の方、先輩や他の楽器の方の意見を参考にさせてもらったおかげで、ずいぶんとバテにくくなってきてはいるんですが、あくまでそれは個人練習の時の話で、
    パート練習、セクション練習、合奏と、人数が増えれば増えるほど、バテていくペースが早まっていきます
    ソロで活動してるわけではないので、多人数との合わせが必要不可欠なわけなんですが、どうしてもこういう現象が起きて困ってしまいます
    人がいることで、上手く吹かなきゃ、とか、もっと鳴らさなきゃ聴こえないかなぁ、とか考えてるのかな?とも思います
    なかなか解決しないのでヒントがあれば、と思います

    長々と失礼しました
    よろしくお願いいたします

    • このあいだ、久々に吹奏楽で演奏したときに、すごく「口に返ってくる圧」みたいなものを感じました。
      一瞬でバテそうな感じ。

      プロの楽団だったので、人数はそう多くなくても音はよく鳴っています。

      仲のよい団員さんに尋ねたら、やっぱり吹奏楽だとそうなる、とのことでした。
      周りの音量がオケより大きい。自分の音が聴こえづらい。そしてユニゾン的なものも多い。

      そういう状況では、口がなぜかバテやすい(何か音響的なものが関係あるかも?)し、自分の音を聞きにくいのでついつい頑張ってしまいやすいと。

      入団されて2年ほどの方なんですが、「最近やっと、そういう状況で適度に力を抜き目にして吹けるようになってきた。長くいる団員さんは、そのあたりのことがよくわかっている」と仰っていました。

      • ふむ、なるほど
        適度に抜く、ですか
        周りに流されやすい性格と、不器用な部分が相まって、どうも100%、120%と力一杯吹いてしまってるのかもしれませんね……

        とはいえ、力を抜いたら今度は鳴らなくなってしまうかも、上が当たらなくなってしまうかも、と考えると怖いですね
        ホントに十数年かけないと難しいかもしれませんが、適度なバランスを探すようにします
        ありがとうございます

        • >>力を抜いたら今度は鳴らなくなってしまうかも、上が当たらなくなってしまうかも、と考えると怖いですね

          あ、これがいちばんの原因なのでは?
          「かも」に支配されて、無理な吹き方をし、撃沈する。
          ぼくもよくあることです。

          撃沈しっぱなしより、勇気を出して、繰り返し継続的に「ちょっと抜き目」で吹くことを試してみてはいかがでしょう。

          • なるほど!
            これが原因でしたか!
            色々と“たられば”が思い付いて怖いですが、とりあえず次回の合奏から試してみます!

  2. 私も、憧れというか目標にしているレジェンドたちがいて、彼らの生演奏をホールやスタジオで聞いて、大きなホールで響かせる人たちの、近くで聴くサウンドやボリューム感をいつもアタマに入れてオケで吹いています。でも弦楽器からは音が大きすぎると言われ木管楽器からは振り返られます。
    しかし、プロの指揮者からは逆にお誉めをいただくことが多いです。

    • シカゴ響サウンドを目指すと、大抵誰もが想像する以上に鳴らしていますね!
      非常に均等に、美しく鳴りきっているのがすごい。

  3. >仲のよい団員さんに尋ねたら、やっぱり吹奏楽だとそうなる、とのことでした。
    周りの音量がオケより大きい。自分の音が聴こえづらい。そしてユニゾン的なものも多い。

    そういう状況では、口がなぜかバテやすい(何か音響的なものが関係あるかも?)し、自分の音を聞きにくいのでついつい頑張ってしまいやすいと。

    畑違いの話ですが、有名なロックバンドのボーカリストで、イヤーモニターを入れたことで周りの演奏と自分の声のバランスが取りやすくなり、喉を潰しづらくなった、という人を何人か知っています。
    どの方もイヤーモニターが普及する十数年も前から一線級で高い評価をされてきたプレイヤーですから、そのレベルでも自分の音が聞こえづらい環境だと頑張りすぎてしまうものなんでしょうねえ。
    私たちはイヤーモニターをつけるわけにはなかなか行きませんが、将来的には何か画期的な手段が出来て、バランスが取りやすくなるかもですね笑

    • それは大変示唆に富む話ですね。

      どんなジャンル、レベルのひとでも同様のことを経験していること、そして解決のための手段もあるということが、
      希望を感じられますね。

  4. こんばんは、遅くにすいません
    以前、この記事でご返信いただいて、8割ぐらいのパワーで吹いてみるように試してみました
    そのときも意識として“いつもより力を2割減らす”のではなく、“望む演奏をするために必要ないつもの8割の力を使う”というポジティヴな感情でやってみました

    すると個人的には、音色も今までと変わらない雰囲気を残しながらも、音域やニュアンスをコントロールしやすくなったように思います
    ですが合奏後、指揮者に伺った感じでは“もっと吹け”“パワー不足”という印象だったようです

    もうちょっとパワーとのバランスも取るよう、実験や練習を重ねなければいけないようですが、とりあえず結果として、ご報告させていただきたかったので、コメントさへていただきました

  5. 初めてのコメントです
    吹奏楽部でトロンボーンを吹いている高1です。
    私も憧れの音色があって、まっすぐした芯があり響きもあるトロンボーンらしい音を出したいのですが、まっすぐ音を飛ばすのを意識すると音の厚みが失われてしまったり(平べったい音)詰まった音になってしまったりと自分の音と目指しているはかけ離れています。
    自分の音に納得をずっとすることが出来ていません。長々とすいません。
    どうかアドバイスやヒントをお願いします

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