恐怖政治をやめたら、生徒たちの音がどんどん良くなってきた!

吹奏楽部の顧問をされている、A先生よりお便りを頂きました。

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バジル先生

はじめまして。

某中学校高等学校吹奏楽部顧問のAと申します。

先日、先生の著書「吹奏楽部員のためのココロとカラダの相談室」を拝読いたしました。

体中に電流が走ったかのような衝撃を受けました。これまでの私の中にあった常識を覆されたような気分でした。

それから、先生のブログに掲載されてある記事をいくつか読み、本はさらに2冊購入し、現在読んでいる最中です。

さて、私は典型的な恐怖政治タイプの指揮者、指導者であったと思いますが、鹿児島情報高校の屋比久先生の教えが書いてある本を、先月に読んで以来、少しずつ考え方が変わってきました。

試しにこの1ヶ月、特に合奏中に出した音に関しては(多少の指摘はしても)注意を与えないでおこうと考えました。

実際、それで取り組んでみたこの1ヶ月で飛躍的に音が変わってきました。屋比久先生の教えの中に「生徒を怒らない」というものがあります。それの実践をやっていけばいくほど、音がどんどん変わってきました。

あらためて指導者も勉強していくことが必要だと再確認している中で、先生の本と出会いました。

それは、本当に衝撃的なものでした。

昨日は手始めにブログに書かれていた「呼吸」について写真を見せながら、生徒に解説して、自然でラクな息づかいを試してみました。

すると、驚くほど音が変わりました。

生徒も口々にブレスしやすい、と言っておりました。

アレクサンダーテクニークという言葉に初めて出会いましたが、私の音楽人生が根底からひっくり返るほどの重要な出会いのような気がしました。

あらゆる練習法を試してきましたが、1日でここまで音が変わってのは初めてでした。

まだ、入り口に立ったばかりですので、これからあらためてしっかり勉強していきたいと思います。ちなみに、「音はどれだけ外してもいい」と、合奏で宣言して以来、私自身も何かの呪縛から解き放たれたかのように、ラクな気持ちです。生徒と一緒に、音楽を作っていこうと思います。

そして、チャンスを見て、ぜひレッスンに伺いたいと考えています。


私も高校時代、吹奏楽部で3年間を過ごしました。

何だか、バジル先生と私がよく似ている部分があって、いっそう親近感を覚えていました。私も高校時代の恩師を尊敬しておりました。

しかしながら、合奏中に1人ずつ吹く時には、いつも緊張して思い通り吹ける事の方が、圧倒的に少なかったように思います。それでも、全員で吹く時の混ざり合ってサウンドが好きで、どんどん吹奏楽が好きになってきました。多くの音楽の経験の中で、さらに音楽の道を突き詰めたいと思い、音楽大学で4年間を過ごしました。

大学に入って、ラッキーなことに大学の先生は、うまく私を導いて下さり、それまでよりラクに吹けるようになったのです。ただ、長年の課題であった、演奏中の緊張や、緊張からくる「崩れ」は、教師という職業についてからも、課題のままでした。

果たして吹奏楽部の顧問として、仕事を進めていく中で、自己否定的な言葉を吐くことが多かった私は、よく生徒叱りつけていました。合奏中はもちろんのこと、運営面でも生徒を成長させたい、様々な経験を通じて大きくなって欲しいという一心で、叱咤激励し続けていました。

それが特に、合奏中に生徒が出す音については、叱る(時には怒るになっていたと思います)必要はまったくないと思うにいたりました。

これまでの私の指導で育ってきた、高2の生徒たちは、戸惑いつつも、どうやらこれまでよりも楽しいムードの合奏や部活動を、
歓迎してくれている様子ですし、
任意で書かせている日誌にも「楽しい」「明日の合奏が楽しみ」「高3の夏まで続けたい」などと、嬉しいコメントが増えました。本当にびっくりです。

「合奏中のみんなが出す音について私が怒ったら、みんなが私を怒って!」と部員にお願いしたところです。部員は笑っていました!正直、そうやって宣言しないと(していても)、あまりにも大きな方向転換なので、私に自信がなかったからです。

バジル先生も書いていらっしゃったとおり、教員も人間です。腹が立つこともあります。でも、少なくとも音楽面では、少しおおらかなにかまえて「どんどん音を外そう!」などと呼びかけて、合奏ができるようになってきました。本当に不思議なことにこう言った方が、音を外さないですし、プレーヤーが思いきって演奏しているのがわかります。

まだ、本番で成果を出すというところにはいたっていませんが、今週末は老人ホームに招かれての演奏です。どんな本番になるのか、少し不安で、かなり楽しみです。

まだまだアレクサンダーテクニークでは初心者です。今、読んでいる「吹奏楽指導者が心がけたい9つのこと」
を参考に、どんどん進めていこうと思います。


手応えは今日の練習も含めて、すごく強く感じておりますし、今後もますますいろんな手法で、進めていきたいと考えております。

ちなみに、今日は「ルーズなタンギング」や、「遠くの人のことを感じること」、「隣の人のにおいを感じたり、空気を感じ取ること」などを伝えました。

それだけしか言っていないのに、本当にハーモニーも、アインザッツも合ってきて、本当にびっくりの連続です。

「合わせろ!」などと今までなら言っていたな~、なんて思いながら練習を進めていきました。普段から、合奏の要所要所で短時間、部員同士、感想の言い合いをするのですが、その時の部員の顔に、ずいぶん笑顔が増えてきたなとも感じています。

今日はあまりに自分たちが出した響きが良く、感動して半泣きの部員がいた程です。これも、全部バジル先生の本やブログ、そしてアレクサンダーテクニークに出会ったおかげと毎日、感謝の連続です。ありがとうございます。




8 thoughts on “恐怖政治をやめたら、生徒たちの音がどんどん良くなってきた!

  1. Pingback: バンドのサウンドが、一週間でみちがえるように良くなった。 | バジル・クリッツァーのブログ

  2. またもや、私の体験談を使って頂き、ありがとうございます。いつも、バジル先生の発信される内容は示唆に富んでいて、参考になることばかりです。
    さて、先日、コンクールを終えました。中高一貫校のつらさで、中高みんなで36名という数で高校の部に出場しました。結果は残念ながら、地区大会銅賞(昨年度は銀賞)でした。負け惜しみではありませんが、舞台上で感じた響きは昨年度より充実していたように思います。この1年アレクサンダーに取り組んで、様々なことがわかりました。まず、アレクサンダーは万能ではないということ。当たり前のことですが、アレクサンダーだけをやっていても、技術は身につかない。しかしながら、アレクサンダーは様々な取り組みに効果をもたらすことがわかりました。いつもなら、もうちょっと悲観したり、私自身、コンクールの結果にうちひしがれるようなところでしたが、技術が及んでいなかっただけと開き直って(割り切って)考えられる視点も得られました。もちろん、指導者として反省すべき点もありますので、それについては、また、あらゆる可能性を考えて練習を進めていこうと思います。実はアレクサンダー関連の書籍はバジル先生の著書を含め、10冊以上、拝読いたしました。実践する中でわかってきたことは、本当に数多くあります。これからも、さらに勉強を重ねて、部員共々、成長していきたいと考えています。これからもよろしくお願いいたします。
     ところで、先日、為末さんの「諦める力」という本を読みました。なるほど、先生とつながっていらっしゃる理由がわかった気がします。多くのヒントがありました。

    • 田阪先生

      コンクールお疲れさまでした。

      アレクサンダーテクニークは仰る通り練習の代替品ではなく、むしろ練習を加速させ、楽しくさせ、やる気を活性化するものですね。

      こちらのブログが参考になるかもしれません。http://basilkritzer.jp/archives/3079.html

  3. こんにちは。吹奏楽部に入っている高校2年生の女子です。
    バジル先生に聞いていただきたいことがあってコメントしました。
    顧問の先生のことなのですが、わたしは先生の指導方法がとても怖くて嫌です。
    演奏面だけでなく、性格や見た目も否定されたり、意地の悪い質問をされたり、精神的に追い詰められるようなことを言われます。
    合奏やオーディションでは「下手くそ」「楽器やめたら?」などと言われ、係などで先生のところに行くと「日本語分かる?」「二度と来んな」など、もっと酷いことも言われます。
    先生が嫌で何人も辞めていきました。
    でもみんな先生の言っていることは正しいと思っていて、先輩方は辛くてもそれを乗り越えていました。
    ですがわたしは本当に嫌で、とうとう楽器を吹くことも部活をすることも全てが嫌になってしまいました。
    ほぼ休みなく毎日朝から夜まで部活をやっていて、「どうして嫌なことにこんなに時間を使っているんだろう」「どうして嫌な思いをしに部活に行ってるんだろう」と思ってしまいます。
    今わたしのまわりでは同じような気持ちの人が沢山います。
    ですが「辞めたい」と言いにいくこともまた恐ろしくて、結局やる気の出ないまま、重い気持ちのまま毎日部活に行っています。
    このまま続けて、卒業したあとに高校生活が辛い思い出しか残らないのは嫌です。
    こう思ってしまうのはいけないことなのでしょうか。自分の努力が足りないだけなのでしょうか。
    何をしていても部活が嫌だという気持ちが頭をよぎってしまいます。
    吹くたびに下手と言われることで楽器を吹くことが怖くなってしまったのが何よりも悲しいです。
    わたしたちはどうするべきなのでしょうか。
    逃げたい気持ちと責任感や罪悪感が葛藤しています。
    少しでも心が軽くなるようなアドバイスを頂けたら嬉しいです。

    • しおりさん

      それは学校や教育委員会に通報するべきレベルの、教員による精神的暴力行為です。
      まずは部活を休部する(できれば、みんなで団結して)ことをわたしはお勧めしたいです。

      顧問の先生が交代させられねばなりません。

      • 返信ありがとうございます。
        やはりこのような指導方法はおかしいのですよね。「これが正しい」と思い込まされているので何が正しいのかもよく分からなくなっていました。
        学校の先生方にはこの酷い状況を把握してもらっています。
        また、何かの証拠になるようにとオーディションや先生の部屋に行ったときは録音をするようにしています。
        本当に、教育委員会などに提出したらすぐに辞めさせられるのではないかというくらい酷い内容です。でも、それでもなにも起こさずにここまでやってきたのは先生を信じ、慕っている部員もいることや、前の学校のときから強豪校の指導者として実力を持っている方なので、どうしても行動に移せずにいます。

        同じ気持ちの人たちとよく話してまた考えてみたいと思います。

        • しおりさん

          1:まずは学校に報告、相談して顧問からの謝罪と、そのような言動を二度としないことを約束してもらうよう求める。
          2:学校が動いてくれなかったら、教育委員会に報告する。
          3:教育委員会も動かなかったら、堂々と何一つ恥じることなく、休部する。自分を守るためです。

          そういう順番でやるといいかなと思います。

          Basil

          • ありがとうございます。
            学校の先生方にもよく相談してみたいと思います。
            親身に相談に乗ってくださり本当にありがとうございました。
            自分たちの心を自分たちで守れるように行動していこうと思います。

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